子ども家庭庁の2027年度概算要求額
2027年度の概算要求額は7兆7436億円である。前年度比は2,480億円増加し、単年度として過去最高である。
主要な支出は保育所・学童保育運営費が2.7兆円、児童手当が2兆円、育児休業給付金が1.1兆円である。
新規事業として、こどもとともに成長する企業構想に22億円、子ども・若者の自殺対策に13億円、強く豊かな日本投資枠に1,225億円が要求されている。
結婚・子育て資金一括贈与制度の概要
受贈者1人につき累計1,000万円(結婚費用は300万円上限)を贈与税非課税とする制度である。
受贈者は18歳以上50歳未満で前年所得が1,000万円以下と定められ、贈与者は直系尊属(父母・祖父母等)に限られる。
受贈者が50歳に達した時点で未使用残額が残っている場合は贈与税が課され、贈与者死亡時は相続税対象となり、孫への贈与は20%が上乗せされる。
適用期限は2027年3月31日である。以後は新規非課税拠出は不可である。
手続きは信託銀行等で専用口座を開設し、領収書を提出して資金を払い出す必要がある。
利用実績と課題
2025年度の利用件数は219件である。
利用件数が低い背景には、資金用途の限定性と手続きの煩雑さがあると評価されている。
累計契約件数は7,907件(信託協会データ)である。教育資金一括贈与制度は約27万件であり、利用率は約34倍である。
代替手段として、都度贈与や年間110万円の暦年贈与が利用可能である。
制度廃止の決定と根拠
子ども家庭庁は2026年度を最後に本制度の贈与税非課税措置を廃止することを決定した。
廃止は2027年度予算・税制改正要望に明記されている。
根拠は効果が限定的であること、利用件数が少ないこと、手続きが煩雑であることという評価である。
子ども政策担当の黄川田仁志氏は、予算増が政策成果ではなく、見直すべきものは見直し、必要な政策に予算を振り向けると説明した。
日本版DOGEに基づく事業見直し
子ども家庭庁は「日本版DOGE」の指摘を受け、約130億円規模の事業を見直す方針を発表した。
見直しにより約130億円の財源が捻出でき、無駄な予算・租税特別措置の削減と財源の重点配分が目的である。
代替的な贈与手段
以下の手段が制度廃止後に利用できる。
- 都度贈与(結婚式費用・出産費用等を直接支払う)
- 暦年贈与(年間110万円までの基礎控除、申告不要)
- 相続時精算課税制度(60歳以上の父母・祖父母が子・孫へ贈与、累計2,500万円特別控除+年110万円基礎控除)
- 駆け込み契約等の臨時的手段
税制改革の全体像
政府は贈与税と相続税の一体化を推進している。
暦年贈与の持ち戻し期間は3年から7年へ延長された(2024年実施)。
相続時精算課税制度では基礎控除110万円が新設された。
住宅取得等資金贈与制度では、省エネ住宅向けに1,000万円、その他住宅向けに500万円の非課税枠が設定されている。適用期限は2026年12月31日である。
他の非課税贈与制度との比較
- 教育資金一括贈与制度:非課税上限1,500万円、累計契約約27万件。制度は2026年3月に終了する。
- 住宅取得等資金贈与制度:省エネ住宅向け1,000万円、その他住宅向け500万円の非課税枠。期限は2026年12月31日。