中国国防部による主張と事実誤認
中国国防部の張暁剛報道官は、8月27日の記者会見において、靖国神社を「名実共に戦犯神社」および「軍国主義の亡霊を呼び起こす場所」と定義しました。
張報道官は、祀られている人物として「14人のA級戦犯」に加え、「安藤利吉」と「乃木希典」らの名を挙げました。その上で、日本の右翼勢力が対外侵略・拡大を狙う本性を露呈させたとし、国際社会に警戒と阻止を要請しました。
- 乃木希典(陸軍大将):合祀されていません。明治天皇の崩御に際して殉死したためであり、東京・赤坂などの「乃木神社」に御祭神として祀られています。
- 安藤利吉(陸軍大将):合祀されています。台湾総督を務め、戦後上海で自決し、「法務死(公務死)」として合祀されました。
中国政府の政治的意図と背景
中国政府および国防部は、日本の防衛力強化を「新型軍国主義」と呼称して批判しています。また、令和8年版防衛白書についても、「虚偽に満ち、『中国の脅威』を誇張している」と反発しています。
台湾の民進党政権に対しても批判を展開しています。日本政治家の靖国神社参拝や高市早苗氏の玉串料奉納を非難しない姿勢を「軽蔑に値する」と主張しました。あわせて「日本に媚びへつらい植民地時代を懐かしんでいる」と批判しています。なお、多くの台湾同胞は「台湾独立」に反対し、平和統一を希望していると主張しています。
有元隆志氏は、中国政府が事実無根のプロパガンダを用いて歴史を政治利用していると指摘しています。中国国防部は、日本と台湾を同時に牽制するために「戦犯神社」としてのイメージを強調しましたが、その過程で乃木希典の合祀状況という基礎的な事実を誤認したまま公式発言を行いました。
乃木神社における内部状況
乃木神社内部では、宗教形式を巡る対立が発生しています。2016年頃から、遺族会が行う仏式慰霊祭に対し、神社側が神道式での実施を要請しました。
これに伴い、宮司代理者が「境内に慰霊碑を設置してはいけない」という理由から、遺族会が建てた戦没者慰霊碑および日露戦争の記念碑を承諾なく撤去しています。
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