中国総領事館を装った特殊詐欺事件の概要
滋賀県警大津署は2024年11月5日、草津市在住の中国籍の男性(24歳)が約630万円をだまし取られた特殊詐欺事件を公表し、捜査しています。
被害男性は8月15日から25日にかけて、指定口座へ計5回にわたり送金しました。犯人は「銀行口座が犯罪に関係している」という虚偽の告知を行い、「強制送還する予定である」と脅して、解決のための「保証金」を要求しました。
特殊詐欺の手口とメカニズム
犯人は、中国総領事館、警察官、日本国大使館職員、税関職員などの公的機関や、現地銀行員、電力会社などの公共機関になりすまします。SNSで事前に個人情報を調査して接触し、「逮捕状が出ている」「口座がテロに利用された」などと不安を煽り、捜査名目や手続き料名目で送金を要求します。
信頼を得るために以下の技術的・視覚的手段を用います。
- 実在する公的機関の電話番号を偽装して表示させる
- 政府機関の制服を着用した姿を動画で提示する
特殊詐欺には以下の分類があります。
- ニセ警察詐欺:捜査名目で金銭をだまし取る
- オレオレ詐欺:親族の事故・事件の示談金を名目にだまし取る
- 預貯金詐欺:口座犯罪利用を口実にカード等をだまし取る
- キャッシュカード詐欺盗:不正利用を名目にカードを窃取する
- 架空料金請求詐欺:未払い料金を口実にだまし取る
- 還付金詐欺:税金還付手続きを装いATM操作をさせる
- SNS型投資・ロマンス詐欺:非対面で信頼・親近感を抱かせだまし取る
公的機関の原則と被害対策
前述のような送金要求について、日本国大使館、総領事館、警察、税関などの公的機関が、正式な手続きによらずに行うことはありません。また、他の公的機関からの送金要求を代行することもありません。
個人の対策は、不審な電話は一旦切り、自身で番号を調べて確認すること、および番号表示・非通知拒否サービスや防犯機能付き電話を活用することです。
相談窓口は以下の通りです。
- 国内:警察相談専用窓口(#9110)、消費者ホットライン(188)、匿名通報ダイヤル(0120-924-839)
- 国外:最寄りの日本国大使館、総領事館、領事事務所
中国現地における詐欺事例と安全情報
中国国内では、親切心を装い高額料金の店へ誘導する「お茶会詐欺」、不当な定額料金を請求する「白タク詐欺」、返金目的でカード情報を求める「QRコード決済詐欺」などの事例があります。
中国の公的窓口および制度は以下の通りです。
- 緊急通報:警察(110)、救急(120)、消防(119)、交通事故(122)
- 詐欺対策:警察詐欺対策専用回線(96110)、SMS通報(12110)
- 市民サービス:市民サービスホットライン(12345) ※多言語対応
- 警察署の義務:犯罪届け出時に「受理証明(受案回執)」を発行すること
犯罪組織の構造と実行役のリスク
犯罪組織は、SNSやオンラインゲームを通じて「簡単作業」「短期間高収入」と勧誘し、かけ子や受け子などの実行役を募集します。
実行役となった者は、海外で拘束されるケースが多発しています。未成年者が加担して内部で暴行を受ける事例もありますが、組織は拘束された実行役を助けません。
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