済州島における行方不明者の遺体発見
「韓国のハワイ」と称され、年間1300万人以上が訪問するリゾート地の済州島で、3日間の間に以下の4人の行方不明者が遺体で発見されました。
- 104日後にヤシ農園で見つかったチャン・ミランさん(37歳)
- 白骨遺体で発見された60代男性
- 海上にて発見された70代男性
- 渓谷付近で発見された身元不明者
国立科学捜査研究院は、チャン・ミランさんの頸部骨折を確認しましたが、腐敗により死因の特定は困難としています。
済州西部警察署による捜査の不正処理
これらの事件の背景に、済州西部警察署のブ警長(34歳)による職務遺棄、公電子記録偽作、偽計公務執行妨害がありました。ブ警長は約1年5カ月で298件の行方不明事件を処理し、その多くを独断で終結させていました。具体的には、遺族へ「本人と連絡が取れた」と虚偽報告を行い捜査を打ち切り、システム上では「交通事故死傷者」コードを用いてデータを不正削除していました。
ブ警長は慢性的な業務過多による負担感や、統計的な死亡率の低さへの妄信を原因として挙げています。また、家庭内暴力で懲戒委員会に付議された経歴があるほか、女性用トイレでの盗撮容疑で捜査を受けています。
制度的欠陥と組織的な不備
個人の不正を可能にした背景には、以下の法制度および組織的な欠陥が存在しています。
- 法制度の不備:成人の行方不明者を対象とした専用法律がなく、警察内規で「家出人」扱いとなるため、位置情報や通信記録の強制照会手続きが未整備であったこと。
- 運用の不備:電話1本で安否確認を行い事件を終結できる「非対面終結」が運用され、管理者の承認なしに終結できる権限が存在したこと。
- 管理と評価の欠陥:CCTV映像が30日で自動削除される仕様のため、捜索遅延により証拠が消失したこと。また、虚偽処理期間中にも警察庁長表彰を受賞していたこと。
社会的な影響と政府の対応
済州島は犯罪発生率が10年連続で韓国国内ワースト1位という治安状況にあります。今回の連続遺体発見と警察の不手際が露呈したことで、SNS上では同一犯や外国人の関与、臓器売買説などの憶測が拡散し、旅行キャンセルなどのパニックが生じています。遺族は、ゴールデンタイムを喪失させたことへの国家賠償請求を検討しています。
これを受け、済州警察庁と韓国警察庁は、前・現署長ら4人を待機発令しました。ブ警長が担当した298件の全数再調査および、過去3年間の終結事案(約31万件)の点検を実施します。あわせて「非対面終結」の禁止と全国的な制度改革を指示しました。
李在明大統領は、警察内部の規律欠如と無責任さを指摘し、警察改革を担う機関の設置検討および刷新案の策定を指示しました。
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