中国の野菜産業の現状
中国の野菜播種面積は2287万ヘクタールであり、河南省、広西チワン自治区、四川省、山東省の4省で全体の3割を占めています。野菜消費量は過去5年間で1割以上増加しており、2023年時点の第一次産業従事者は1億6882万人です。
野菜輸出量は1326.2万トンで、山東省が39%と第1位となっています。日本向けには、加工・業務用などの輸入野菜の5割強が中国産です。
食品安全問題と違法着色事例
中国では身近な食品の安全性を巡る問題が相次いで表面化しています。8月には河北省の業者が、輸送中の鮮度保持のため発がん性が指摘されるホルムアルデヒドを含む液体を使用した白菜問題が発生し、当局が関係者の身柄を拘束して捜査を実施しました。
また、甘粛省蘭州市の当局が野菜買い付け・保管業者53社を立ち入り検査しました。その結果、調査した13カ所の野菜倉庫の半数以上で着色作業が確認され、茎レタスに食品用着色料を違法に使用していた業者6社が立件されました。
立件された業者は、黄ばみや傷を隠して見た目を新鮮に見せる目的で、レタスを緑色の液体に浸して着色処理を行っていました。検出された液体からは「ブリリアントブルー」および「タートラジン」の2種類が検出されました。中国の規制では、食品用着色料であっても生鮮野菜への使用は認められていません。この事象は、食品情報を発信するブロガーが着色する様子を撮影し、インターネット上に投稿したことで露呈しました。
中国の規制・管理体制
規制体制については、2008年のメラミン混入事案を契機に2009年に食品安全法が制定されました。2018年には、食の安全に関する権限を集約した中国国家市場監督管理総局が創設されています。2024年の「12315」窓口への通報件数3924万件のうち、食品安全関係が12.5%を占めています。
輸出向け野菜の品質管理
国内向けとは異なる監視体制として、輸出向け野菜には海関総署(税関)の検査が義務付けられており、より厳しい監視が行われています。
寿光市などの事例では、以下のような戦略的アプローチによる品質管理が行われています。
- 龍頭企業が地元政府と連携し、統一基準の適用とブランド出荷を徹底。
- にんじん輸出企業A社などは、訪問確認を容易にするため、輸出向けの6〜7割を地元栽培として管理。
- 中国農業科学院などの研究機関が、企業や村に拠点を設置して連携。
- 農民合作社を設立して権利関係を整理し、区画整理と集約を推進。
- 政府が推奨する「団体基準」を導入し、市場浄化に取り組む。