2026/09/06

中国の諜報活動か?米空港で軍用機を撮影した中国人留学生を逮捕


容疑者のプロフィール

ウェイホン・ツォン(Zeng Weiheng)は中国籍の中国人留学生です。2004年生まれで、カナダ・オンタリオ州ケンブリッジに在住し、ウォータールー大学の学部生として在籍しています。

撮影活動と逮捕の経緯

ウェイホン・ツォンは、以下の撮影活動を行っていました。

  • 2024年4月21日:シカゴ・オヘア国際空港のFedEx施設で軍用機などを撮影。より良い角度を得るためフォークリフトに登り、配送車やコンテナを開けようとする行為が見られました。
  • 2025年10月:トロント・ピアソン国際空港のFedEx施設外を撮影し、約200ドル相当の報酬を受領しました。

FBIおよび捜査当局は、シカゴ・オヘア空港の現場に残されていたオンタリオ州ナンバーの車両(クライスラー)から容疑者を特定しました。その後、2024年8月23日に米ミシガン州への入国時に拘束・逮捕されました。

諜報活動の構造と報酬

ウェイホン・ツォンは2024年に「中国の航空愛好家向けオンラインフォーラム」を通じて中国の連絡役と接触しました。連絡役からは、特定の航空機、機体番号、空港周辺の特定地点、および輸送・物流情報の撮影を指示されていました。

報酬は写真1枚につき20~30ドル(人民元で支払い)であり、容疑者は連絡役が「中国共産党の情報機関」に関係していると考えていました。

また、カウンターインテリジェンス対策として、以下の秘匿工作を指示されていました。

  • カナダ通信網を回避するため、4〜5か月ごとに中国電信の新しいSIMカードを使用すること。
  • ファーウェイ製のスマートフォンを使用すること。
  • 撮影後にSIMカードを破棄し、チャット履歴および写真を削除すること。

司法手続きと主張

ウェイホン・ツォンは、連邦当局者への虚偽陳述罪で起訴されました。取り調べ当初は依頼主を「航空愛好家」と説明していましたが、後に物流情報の収集目的であることを認めており、この供述の変遷が起訴の根拠となっています。

押収されたスマートフォンにあった戦術装備とライフル型の銃を手にした写真について、本人はサバイバルゲーム用のエアガンであり、軍事訓練は受けていないと主張しています。

2024年9月1日にデトロイト連邦裁判所に出廷し、勾留継続に同意しました。検察側は、容疑者が米国籍ではない国外居住者であること、およびミシガン州とのつながりが乏しく逃亡の恐れがあることから、勾留の必要があるとしています。なお、現時点でスパイ活動自体は法廷で認定されていません。