参院人事の決定と体制の構造
参院幹事長ポストの人事決定は、高市早苗首相と石井準一氏との間に溝があった。このポストは青木一彦元官房副長官への交代で決着した。
参院における自民党の人事決定権は、参院議員会長が握っている。参院の自民党執行部は衆院と異なり定数の3分の2以上を占めるが、過半数には届かない構造である。
この人事決定は、参院側が過半数に届かない状況下で、厳しい国会運営をスムーズに乗り越えるための措置であった。
松山政司参院議員会長は、適材適所で人事を行ったとされる。一方で、官邸側、すなわち高市首相は参院の独自性には配慮し、人事に関しては何も関与していないと否定している。
参院自民内では、今回の人事を通じて今後の国会運営がスムーズに進まなくなる懸念が示されている。
参議院の国会運営における課題と石井氏の役割
参議院では自民党が過半数に届かない状況が継続している。このため、野党との調整や法案・予算の審議日程をまとめる力が重要となる。
石井氏は「参院のドン」として、国会運営や予算委員会幹部において独自の調整力と人脈で存在感を発揮してきた。
石井氏は、国会運営の慣例にとらわれない運営を目指す首相や参院側との間に溝があることを指摘している。
予算審議を巡る具体的な対立の経緯
2026年度予算の審議を巡り、石井氏と首相との間に溝が生じた。
高市首相は年度内成立を指示したが、参院側は野党との調整を重視したため、予算成立は年度をまたいで4月にずれ込んだ。
石井氏は国会運営において野党批判の言葉を口にする異例の行動をとったことがある。
予算成立の不成立は首相に不満を募らせ、その矛先は石井氏に向けられた。
石井準一氏の政治的活動とグループ活動
石井氏は国会運営に精通した水面下の調整役を担ってきた。彼は、参院幹事長(2019年10月~2026年9月)のほか、議院運営委員長、予算委員長、国会対策委員長などを歴任した。
石井氏は議員との人脈や野党とのパイプを持つ大きな影響力を持つ人物と評されている。彼は、少数与党にある参院での結束を固め、安定した党運営につなげるため、「自由民主党参議院クラブ」を設立した。
このクラブは、議員が緩やかにつながり、意見交換や気軽に相談できる場を提供するものであった。
石井氏は、派閥としてではなく「派閥でない」ことを強調した。定例会合を開かず、他グループとの掛け持ちを認める方針が掲げられた。
石井氏は、消費税10%への引き上げについて「法律に従い、引き上げるべきだ」と回答した。
日本国憲法改正や集団的自衛権の行使を禁じた内閣法制局の憲法解釈の見直しには賛成した。
派閥・グループ間の関係と再編の動向
大半の派閥が解散した後、参院でのグループ結成は初めてのケースである。
石井氏は2024年1月26日、政治資金パーティー収入の裏金問題を受け、平成研究会(茂木派)を退会した。
石井氏が所属していた旧派閥の議員ら(渡辺猛之氏、西田昌司氏など)が新グループに同席した。
新グループは、旧茂木派、旧安倍派、旧二階派など、すべての旧派閥から参加していると説明された。
石破茂氏が設立した「水月会」(元「石破派」)は、2020年12月2日に組織形態を「派閥」から「議員グループ」に変更し、他派閥と掛け持ち可能な議員グループとする方針を固めた。
同水月会は2024年2月7日には、政治資金規正法に基づく政治団体としての解散を決定した。