2026/09/03

米ベッセント氏が警告!高市政権のリフレ政策停止と利上げを要求


ベッセント米財務長官の要求と警告

ベッセント米財務長官は、日本政府に対し、財政拡張と金融緩和を組み合わせたリフレ政策の即時停止および利上げによる円安是正を要求しています。アベノミクスとしてのリフレ政策はデフレ脱却で成果を上げ成功したと評価しつつも、現在の局面では路線転換すべきであると主張しています。

また、ベッセント氏は高市首相に対し、現状維持であれば英トラス元首相のような末路を辿ると警告しました。あわせて、高市首相周辺に円安肯定派が存在することを問題視し、日銀の独立性欠如を追及しています。

高市政権の経済政策「タカイチノミクス」

高市政権は、強い経済の実現と財政持続可能性の両立を掲げ、「タカイチノミクス」を推進しています。2026年7月に公表した「骨太方針2026」には、以下の積極財政策が盛り込まれました。

  • 消費減税(食品税率を1%へ引き下げ)
  • ガソリン補助金の延長
  • 予算編成改革(恒常的施策を補正予算ではなく当初予算で措置)

高市政権は財政拡張を推進しながら、日本銀行に対して低金利政策の維持を要求しています。

日米の接触スケジュール

ベッセント氏は、以下の日程で日本の政府関係者および日銀総裁と接触し、不満の伝達や政策への主張を行いました。

  • 2026年5月:来日し、片山財務相との2時間以上の夕食会で不満を伝達
  • 2026年8月30日:G20の傍らで植田日銀総裁と会談
  • 2026年8月31日:片山財務相と会談
  • 2026年9月1日:G20閉幕後の記者会見で「リフレ政策をやめるべき」と公言

為替介入と米国の意図

2026年8月1日、日米協調による28年ぶりのドル売り・円買い介入が実施されました。トランプ米政権は、円安が米輸出業者に悪影響を与えているとして日本に是正を求めています。

また、米国内では11月の中間選挙を控え、住宅ローン金利の上昇による有権者の負担増を警戒しています。円安を是正して日本投資家の米国債購入余力を高めることで、米国内の長期金利上昇を抑制する狙いがあります。

金融市場への影響

2026年9月1日時点で、円相場は1ドル=160円台と大幅な過小評価の状態にあります。

債券市場では、高市政権の積極財政による財政悪化懸念と日銀の利上げ観測から長期金利が急騰しました。東京市場の長期金利は2026年9月1日に30年ぶりとなる3.005%(3%超)を記録しました。この直接的トリガーは、ジャクソンホールでのウォーシュFRB議長の講演であったとする説(金子洋一氏説)があります。

この流れを受け、米債券市場でも利回りが連鎖的に上昇しました。10年債利回りは2025年1月以来の高水準となる4.80%を記録し、7月31日には米30年債金利が20年ぶりの5.29%まで上昇しました。

日本銀行の対応と今後の展望

植田日銀総裁は、ベッセント氏から「円安がインフレ圧力の一因」であるとの指摘を受けましたが、今後の利上げ(1.25%程度への想定)については「毎回の会合でしっかり議論したい」として明言を回避しています。なお、日本銀行は2026年6月に政策金利を1%程度へ引き上げ済みです。

今後の展望として、高市政権と日銀が米国側の圧力および市場の金利上昇を受け、追加利上げなどの円高につながる措置を講じるとの見方があります。