2026/09/16

富士山閉山期の救助有料化へ!5分8千円、無謀な登山に厳格な措置


富士山閉山期間中の防災ヘリ救助有料化案

山梨県は、富士山の閉山期間中における防災ヘリによる救助費用を有料化する検討を進めています。徴収案は5分につき8,000円程度で、2027年9月の運用開始を目指して条例化を推進しています。対象は、閉山期の登山届未提出者など、ルール違反を伴う無謀な救助に限定されます。

有料化導入の背景と現状

富士山の開山期間は例年7月1日から9月10日までです。それ以外の閉山期は気象状況が厳しく、救護所も閉鎖されるため、遭難リスクが極めて高い状態にあります。

近年、インバウンド観光客の増加やSNS映え目的の登山により、軽装での強行突破による遭難が多発しています。山梨県では過去7年間に21件の遭難事故が発生し、4人が死亡したほか、昨年(閉山後)には13件の遭難事故が発生しました。

防災ヘリの運用コストは1時間あたり40万〜50万円に及び、燃料費や機体維持費は税金で賄われています。こうした状況から、救助隊員の命のリスクやコストが公費や入山料で賄われている現状に疑問が呈されています。

登山届の義務化と運用の仕組み

山梨県は「富士登山届出制度(仮称)」を創設し、6合目以上に登る場合の登山届提出を義務化します。登山計画が不十分な場合には「修正勧告制度」を導入し、提出された届出は救助費用の「手数料減免資料」として活用されます。

減免措置の判断基準は以下の通りです。

  • 登山届の提出有無
  • 装備・計画・保険の基準適合
  • 届出内容に沿った行動の有無

あわせて、物理的な進入防止策として、登山口へのゲート整備およびバリケードの三重強化、人感センサーによる警告メッセージと回転灯の設置、道路法に基づく罰則規定の掲出を行います。

他地域の事例と救助主体による費用の違い

自治体の取り組みでは、埼玉県が先行しており、平成30年から防災ヘリによる救助費用として飛行5分当たり8,000円を徴収する条例を運用しています。一方、静岡県は有料化は見送っていますが、来年秋以降の閉山期から登山届の義務化導入を目指しています。

救助主体による費用原則は異なります。警察法に基づく県警ヘリによる救助は原則無償であり、今回の有料化の対象外です。山梨県知事は、県警ヘリが無料であることによる不公平感について「そういうものだと思ってもらうほかない」と言及しています。また、民間ヘリをチャーターした場合の費用相場は、数十万円から数百万円に及びます。

今後の課題と展望

警察庁によると、外国人遭難者は増加傾向にあり、2023年は遭難事故100件、遭難者145人と過去最多を記録しました。2024年は遭難事故99件、遭難者135人となっています。

地元自治体からも有料化への強い要望が出ています。昨年4月に中国人男子大学生が短期間で2度救助された事案などを契機に、富士宮市長は「助けてもらえて当然」という意識を無責任であると批判しています。

今後の課題は、県警ヘリ救助との不公平感の解消や、対象とする山および時期の適切な選定です。運用にあたっては人命救助を最優先とし、救助要請にためらいが出ない仕組みを構築します。