英国政府のウクライナ支援概要
2026年8月24日、英国防省は空中発射型巡航ミサイル「ストーム・シャドウ/SCALP」の機密情報をウクライナに提供すると発表した。発表はウクライナ独立記念日式典でアンディ・バーナム首相が行った。
2024年4月には過去最大規模の支援パッケージが公表された。パッケージには数万機のドローン、15万機超のドローン、電子妨害装置「ストーン・クローク」、低コスト巡航ミサイルが含まれる。
2023年4月には年内に少なくとも12万機のドローンをウクライナへ供給する旨が表明された。支援は「揺るぎない」ものであり、ウクライナが「勝利するまで」継続するとされた。
アンディ・バーナム首相の声明
首相は、2023年に英国がウクライナへ長距離兵器を供与した最初の国であると述べた。また、ウクライナからの技術共有要請を承認したことを確認し、ロシアの警告にもかかわらずウクライナ支援を100%継続すると表明した。
ウクライナ側の技術共有要請と作戦実績
ウクライナは自ら長距離兵器能力を構築できるよう、英国に技術共有を求めた。英国から提供された情報と装備は、ロシア海軍潜水艦・艦艇・航空機への攻撃に使用された。
2024年8月15日から16日にかけて約600機の英国製ドローンがモスクワ周辺に投入された。モスクワ市長セルゲイ・ソビャニンは、約1/3が破壊され、3人が負傷したと報告した。
同年以降、ロシア国内の石油精製所やオンライン小売業者ワイルドベリーズの倉庫を標的としたドローン攻撃が継続された。2026年8月17日、BBCは英国製ドローンがロシア領内で使用されたことを確認し、同日報道でも約600機がロシアへ発射されたとされた。
英国製ドローン・巡航ミサイルの概要
- ストーム・シャドウ/SCALP(英仏共同開発):ロシア海軍キロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」の破壊が報告されている。複数の艦艇や航空機への攻撃実績がある。
- ニャン・ワンウェイ・エフェクター:カレン=レンツ(BAEシステムズ子会社)開発。ジェットエンジン搭載、航続距離約250km、最大ペイロード20kg、ステルス性あり。
- Nyan:BAEシステムズ子会社製。ターボジェットエンジン搭載、航続距離約250km、翼幅2.9m、最大20kgの爆薬搭載可能、任意の場所から発射可能。
- 別種ドローン:航続距離約1,000km。詳細は未公表・機密保持。
ロシア側の被害と経済的影響
英国製自爆ドローンの使用が指摘された結果、ロシアの石油精製所の7月原油処理量は21年ぶりの低水準に低下した。
サンデー・タイムズは、英国製ドローン使用による経済的損害が350億ポンド(約7兆5500億円)を超えると報じた。
ロシア政府・外務省の警告
2026年8月17日、英国製ドローンがウクライナによるロシア領内攻撃に使用されたことを受け、ロシア外務省は報復措置を警告した。報道官マリア・ザハロワは、英国製長距離巡航ミサイル使用への対抗として英国軍事施設への攻撃可能性を示唆した。
同時に、英国がロシア市民に対する「テロ」行為を法的に支援する状態に「あと1歩」近づいていると指摘し、英国・フランスのミサイル技術供与を「火遊び」と評価した。
在英ロシア大使館は、英国がウクライナ危機のエスカレーションを意図的に選択したと非難し、支援が拡大すれば英国の代償が大きくなると警告した。報道によれば、ロシアへの報復として英国の重要インフラへのスパイ活動・サイバー攻撃増加の可能性が示唆された。
国際的な影響とフランスの立場
フランス政府は欧州製ミサイル技術のライセンス供与に同意した。ザハロワ報道官は、フランスも同様に「火遊び」に加担していると批判した。英国とフランスの共同開発(SCALP)とロシアの警戒は、国際的緊張を高めている。
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