17インチホイール採用の背景
スーパーカブは発売以降、前後に17インチホイールを装着している。これは本田宗一郎の「無いものは作ればいい」という考えに基づき、専用の17インチタイヤを新たに製作した結果である。1950年代以前は19インチ・24インチが主流であったが、車体の高さと段差走行性能のバランスを検討した結果、17インチが選定された。
車体設計と乗降性への配慮
初代C100の開発では、幅広いユーザーが気軽に使用できることが重視された。エンジンは横置きで低く通す設計とし、車体中央に丸パイプが走るアンダーボーン型フレームを採用した。これによりまたぎ空間が確保され、乗り降りのしやすさ、足つき、悪路走破性が考慮された。
ライディングポジション
手・足・お尻が自然な三角形を形成するように設計されている。世代が変わっても基本的なポジションは大きく変わっていない。
タイヤ規格
現行モデル(2012‑2025年)のタイヤ規格は以下のとおりである。
- 50cc:前輪 60/100‑17M/C 33P、後輪 60/100‑17M/C 33P
- 110cc:前輪 70/90‑17M/C 38P、後輪 80/90‑17M/C 44P
タイヤ選択の際に最も重視される項目はリム径(17インチか14インチ)である。
主要メーカーと製品ラインナップ
17インチタイヤはスーパーカブ専用として供給され、主に以下のメーカーが製品を提供している。
- ミシュラン・シティーエクストラ(2022年3月発売、5種類、ウォーターサイプ技術、ウェットグリップ24%向上、寿命10%向上、2022年8月以降チューブ使用が適合)
- ダンロップ D107(スタンダード)・D104(耐摩耗性)
- ブリヂストン G556(新聞配達向け、約1万km耐久)
- IRC 純正指定タイヤ 6F/6R(製造中止、代替 N6F/N6R)
- DUNLOP TT900、K950、スノータイヤ D502 など多数
- AGAT Utility、KN企画、CST などのカスタムリム・アルミホイール
実装例
作者はスーパーカブ110プロ用に17インチホイールを自作した。前輪は「カブプロ用ハブ+クロスカブ用スポーク+17インチリム」、後輪は「カブプロ用ハブ+ノーマルカブ用スポーク+17インチリム」で構成し、タイヤにはミシュラン・パイロットストリートを使用した。前輪の取り付けは手間がかかったが、後輪は比較的スムーズに完了した。原付二種レベルではホイールバランスは不要とされ、リム振れ取りを1 mm未満に抑えることで走行上の影響は確認されていない。
市場の現状とユーザー評価
前輪はダンロップとIRCが独占的に供給され、他メーカーは採用していない。価格.com の検索結果では「カブ バイク用タイヤ 17インチ」23件がヒットする。
Webikeスタッフはスーパーカブ110(JA44)にシティーエクストラを装着後、タイヤが路面に吸い付くように走り、停止位置が正確になったと報告している。また、ウェット路面での急制動時に前輪がブレずに止まったと評価している。
課題
- フロントフェンダーと17インチタイヤのクリアランスがぎりぎりである。
- 17インチ化に伴いスピードメーター表示に誤差が生じ、スピードメーターギアが内蔵されたブレーキパネルへの交換が検討される。
- ホイールバランスは原付二種レベルでは不要とされるが、リム振れ取りは1 mm未満に抑えることが推奨される。
今後の方針
- 2024年12月に50ccスーパーカブはFinal Editionで生産終了し、110ccは継続生産される。
- 作者は今後も自らスーパーカブプロのタイヤ交換を継続する意向である。