2026/09/18

名古屋市立小で学級写真を廃止へ、保護者の反発と背景を解説


瑞穂区にある名古屋市立小学校では、2024年度(2026年度予定含む)より学級写真を廃止することが決定されました。この方針は、4月7日付の「学校だより」を通じて保護者へ通知されています。児童は約800人が通う規模の学校です。

写真廃止の主な理由は以下の通りです。

  • プライバシーの保護(個人情報保護)
  • 授業への影響(撮影に約3時間を要するため)
  • 欠席者への配慮(不登校や長期欠席への対応の難しさ)
  • AI技術によるリスク(正面からの顔写真がディープフェイク等に悪用される懸念)

背景には、教員らによる児童への盗撮画像共有事件や、生成AIを使った女児の性的画像問題など、教育に対する信頼を揺るがす事態への対応が含まれています。なお、学級写真は廃止されるものの、式典や運動会でのスナップ写真は継続され、卒業アルバムも全面廃止ではありません。

学級写真の廃止に対し、保護者の間では強い反発と抗議が起きています。アンケートでは約7割が学級写真の継続を希望しており、221世帯分の署名を収集して校長へ提出する署名活動も行われました。

保護者からは、以下の反対の論拠が示されています。

  • スナップ写真の方が撮影枚数が多いにもかかわらず、プライバシー保護を理由に学級写真のみを廃止するのは不条理であるという矛盾性
  • 学級写真の撮影時間は限定的であり、授業への影響は小さいという実効性に関する主張

名古屋市教育委員会は、当該校に対し、保護者の納得を得るための丁寧な説明を行うよう指導しています。一方で、義務教育課は盗撮事件を受けての指導事実はないと回答しています。

市内259校のうち、学級写真を廃止するのは当該校を含むわずか2校のみです。学級写真の撮影可否は「学校長の裁量」による決定であり、教育委員会から一律の廃止指示は出ていません。

沖縄県内の小中学校では、個人情報保護や教職員の働き方改革の観点から、学級写真の廃止や形を変えた実施が進んでいます。

那覇市のある小学校では、個人情報の懸念、保護者の費用負担、欠席者への対応の難しさを理由に廃止が進んでいます。同校では、PTAが教職員の負担を抑えつつ継続できる撮影方法を模索しています。また、沖縄県北部の小規模校では、担任がスマートフォンで撮影し、ラミネート加工で配布する簡易な形に切り替えています。

学校現場における共通の課題は以下の通りです。

  • 業者への依頼、撮影日の調整、全員参加のタイミング確保といった事務負担
  • SNSでの拡散や悪用に対する意識の高まり
  • 個人情報保護法と肖像権に関する判断の複雑化