2026/09/03

日本で広がる袋留め具の歴史・使い方・再利用アイデア


製品概況と呼称

正式名称はバッグクロージャー(Bag Closure)である。

別称としてバッグ・クロージャー、バッククロージャー、バッグクリップ、パン留め、留め具、パンクリップ、袋留めがある。

商標名はクイックロック(Kwik Lok)であるが、正式名称ではない。

日本国内では「パンの袋を留めるアレ」や「パンクリップ」と呼称されることが多い。

発明と市場への導入

1952年に米国でフロイド・パクストンが発明し、米国で特許取得された。

発明の背景はリンゴ生産者から「袋の口を簡単に閉じる方法」の依頼を受け、飛行機内で原型を考案したことにある。

1960年代に同社の従業員が自動袋詰め装置と連動する自動結束機を開発し、市場が拡大した。

日本への導入は1970年代後半で、1980年代に普及した。

素材・形状・サイズ・カラー

主素材は軽くて硬いポリスチレン(PS)であり、成形性が高く量産に適する。

形状は四角形で、中央に袋口を差し込む切り込みがある。角は丸加工され、指で扱いやすく設計されている。

切り込みに袋口をねじって差し込み、軽く押し込むと密閉でき、奥行きと幅は袋の厚みに合わせて調整できる。

カラーは白と水色が主流で、計7色があり、ロットや商品種別の区別に利用される。

サイズは袋の大きさに応じて複数あり、中央穴の形状はハート、×、リンゴ形、ディズニーキャラクター等の9種類が提供されている。

使用方法・効果・注意点

袋口をねじり空気を抜き、切り込みに差し込み軽く押し込むと密閉できる。

取り外す際は切り込みが開いている側から軽くひねって引き抜くことで破損を防げる。

密閉により袋内の空気が減少し、食品の鮮度保持に寄与する。

使用上の注意は以下の通りである。

  • 無理な力を加えると袋口が破れ、クリップが割れるリスクがある。
  • 油分や汚れが付いた場合は軽く洗浄し乾燥させてから再使用する。
  • ポリスチレンは高温に弱く、電子レンジや直射日光下での使用・保管は避ける。
  • 小さな部品であるため、乳幼児やペットの誤飲に注意し、手の届かない場所に保管する。

厚生労働省は食品に触れる器具の清潔取扱いを推奨し、消費者庁は小さな部品を含む製品の誤飲防止を呼び掛けている。

再利用例

使用後のバッグクロージャーは様々な再利用が可能である。

  • 洗濯物の端を留めて風で飛び散らないようにする。
  • 髪ゴムや輪ゴムをまとめて整理する。
  • 電源コードや充電ケーブルに貼り付け、ラベル代わりやコードホルダーとして活用する。
  • 本のページに挟んでしおりとして使用する。
  • 半分に折って動物モチーフの工作素材にする。
  • 机側面に両面テープで貼り付け、コード整理用ホルダーに転用する。
  • 冷凍保存袋の目印として油性ペンで日付・内容を書き込む。
  • 子どもの工作素材として使用する(保護者の見守りが必要)。

代替手段

袋の口を閉じる他の手段は以下の通りである。

  • 針金タイ:柔軟だが作業時間が長くなる。
  • シール:密閉性は高いが再利用不可でコストが高い。
  • ジッパー付き袋:再利用可能だがコストが高い。

環境配慮

主素材はプラスチックであり、自治体のプラごみ・可燃ごみとして処分される。

再生プラスチックや天然繊維素材を使用した環境配慮型製品が登場している。

軽量で輸送効率が高く、資源使用量が少ないという利点がある。

市場・製造実績

クイック・ロック・ジャパン株式会社は埼玉県川口市に第一・第二工場を持つ唯一の製造拠点である。

1983年に設立され、2019年時点で年間約32億個(約30億個)を生産している。

食パン袋留め具市場でシェア約9割を占め、前年度売上は約14億円で取引は主に製パン会社向けである。

製品ラインには標準タイプ、7色バリエーション、9種の穴形状、ラベルクロージャー(一体化商品)が含まれる。

同社は立体商標「J‑NRP」を取得している。