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春の淡い明かりがデスクに差し込む。木製のチェス・ナイトが静かに佇み、遠い英雄の影を呼び覚ます。幼い頃、ナイトが王を取ると血が沸き、星のような景色が感情に残った――それが今、指先に戻ってきた。
私がその駒を題材に冒険譚を書き始めると、画面に映る文字は削られたナイトの表面に刻まれた小さな文だけ。「雷が走った」と呟くと、息が止まるほどの衝撃が走り、創作そのものの価値に気付く。
創作が行き詰まったとき、無意識に爪で駒の側面を軽く削っていた。削り跡は星のように瞬き、掌が温まる。称賛はなかったが、輝く星が感情に灯り、静かな達成感が広がった。私はにやりと笑い、星を指の間で転がした。その瞬間、画面に映る『いいね』の数が削り跡の輝きと重なるように見えた。唯一の“いいね”は、木の表面に刻んだ星だった――それが私だけの評価だった。
笑みが広がり、再びナイトを掌に取ると、星は増え続け、温もりとともに小さな宇宙が静かに回り始めた。――評価は外に求めるものではなく、掌の内にあると、ナイトは教えてくれた。
しかし、ナイトを転がすと星の輝きが一瞬で消え、薄い層が現れた。その層には画面上の『いいね』数が手書きで記されていた。私は思わず笑い転げ、評価は結局、デジタルと手作りのいたずらだったと悟った。