2026/09/02

射程400km・空対空対応!ASM-3改の全貌


従来のASM-2・ASM-3の課題

ASM-2および初期型ASM-3の射程は約150 kmで、敵戦闘艦艇の脅威圏外からの有効攻撃が困難であった。

初期型ASM-3は2017年度に開発が完了したが装備化されず、射程延伸型(ASM-3改)の開発が必要となった。

防衛省の要求

令和9(2027)年度概算要求に「空対艦/空対空ミサイル(ASM-3改)」が計上された。要求は「新しい戦い方への対応」「持続的な対応能力」「防衛力の基盤」の3本柱を重視し、弾薬・燃料確保、可動数向上、施設強靭化、運用基盤強化が盛り込まれた。

開発体制とスケジュール

防衛装備庁はFY2020にASM-3改の開発を計上し、総額約325億円で推進した。ソフトウェアの改修により空対空目標対応機能が付加され、既存ハードウェアを変更せずに空対空ミサイルとして運用可能となった。量産調達はFY2027概算要求で見込まれる。

三菱重工業は2020年度から2025年度末までの期間で開発を担当し、弾体規模は変更せずに軽量化策を採用した。赤外線画像方式を除外したことで開発コストは約10 %削減された。

開発経緯

ASM-3構想は1980年代末に開始し、IRR要素技術の試作を経て2010年度に本格開発が始まった。開発は2017年度に完了し、2018年1月に報道されたが直ちに量産配備には至らなかった。射程短さへの対応として改良型開発が継続された。FY2021予算で射程延伸型(ASM-3A)の調達が開始され、2025年度から航空自衛隊へ配備が始まった。

技術仕様・性能

  • 全長 6 m(AIM-120 3.65 m、AAM-4 3.66 mより大柄)
  • 直径 0.35 m、重量 940 kg
  • 最大速度 マッハ3(≈3,680 km/h)以上
  • 目標射程 400 km(従来の150 kmから大幅延伸)
  • 推進方式 IRR(インテグラル・ロケット・ラムジェット)
  • 固体ロケットモーターでラムジェット作動域まで加速

日本の技術的独自性

日本は西側諸国の中で IRR をミサイルに搭載した国である。

誘導・センサー

中間段階で慣性+GPS誘導を使用し、終末段階でアクティブ・レーダーとパッシブ・レーダーの複合誘導に切り替える。ECCM機能が向上し、ステルス形状により被探知性が低減される。

空対空機能の実装

ソフトウェア改修により、既存ハードウェアを変更せずに空対空ミサイルとして使用できるようになった。

運用と戦術的意義

空対艦だけでなく空対空にも使用できる dual‑use 型として設計され、大型目標(空母、AWACS、空中給油機)への攻撃が想定される。F‑2 戦闘機に搭載可能な機体サイズを維持し、軽量化により射程延伸が実現した。

配備計画

ASM-3A の取得は2021年度予算で開始され、2025年度から航空自衛隊へ配備された。令和9(2027)年度概算要求に ASM-3改 の取得整備が含まれる。

国際的な位置付けと比較

米国の AIM‑260、AIM‑174B、AARGM‑ER は長射程空対空・対地に焦点を当てている。中国の PL‑15、PL‑17 はデュアルパルスロケットや再加速機構を採用するが、IRR 型式は未採用である。ASM-3改は IRR 推進とステルス・複合レーダー誘導を組み合わせている点で他国ミサイルと異なる。

※本内容はフィクションである。