2026/09/02

古謝とデニー、選挙法が映す“リード”とSNS格差の全貌


選挙法と報道慣行

公職選挙法は、人気投票の経過や結果の公表を禁止している。この規定により、メディアは具体的な得票差を示す表現を避け、「情勢調査文学」と呼ばれる形で伝える。

「安定」「先行」「優勢」は大リード、「やや先行」「一歩リード」は5〜9ポイント差、「横一線」「互角」はほぼ同水準と定義される。

候補者名はリードしている者が先に掲載され、同率に近い場合は届出順になることがある。

候補者プロフィールと推薦政党

古謝玄太氏

42歳の無所属。前那覇市副市長。自民党・公明党・日本維新の会・国民民主党・参政党・保守系6党から推薦を受けている。

公約は辺野古移設容認の現実路線、普天間基地危険除去策、基地負担軽減と経済再生。

玉城デニー氏

66歳の無所属。2022年知事選で339,767票(50.84%)を取得し、2回当選した現職。

立憲民主党・日本共産党・社会民主党・レキオ・社大・いのち・その他から支援を受けている。

公約は新基地反対と子育て支援実績のアピール。

下地幹郎氏

2022年知事選で53,677票(8.0%)を取得し、約5万票規模の個人票を保有した。

2026年7月13日に出馬表明したが、同年に選挙戦から撤退し、古謝氏へ支持表明した。

その他新人候補

  • 兼島俊(48歳、無所属)
  • 末吉正弘(73歳、無所属)
  • 比嘉隆(49歳、無所属)
  • 屋良朝助(74歳、琉球独立政党所属)

支持基盤(市町村長の表明)

41人の市町村長のうち、29人が古謝氏、同数のうち6人がデニー氏を支持した。

三枝玄太郎氏は、下地氏の支持票がデニー側に流れる割合は想定より少ないと指摘し、下地氏撤退が古謝陣営への追い風になると評価した。

古謝氏の奥様の演説は多くの人の心に響き、支持拡大に寄与した。

社民党沖縄県連は、デニー氏支援候補と一部が別候補を立て、約14,000票が「オール沖縄」ブロックから流出した。

世論調査と支持率

自民党内部の第4回情勢調査では、古謝玄太氏が44.1%、玉城デニー氏が40.9%で、リード差は3.2ポイントであった。

同調査の別バージョン(対象人数3,202人)では、デニー氏が51.8%、古謝氏が41.0%、未定層が7.2%となり、沖縄第4選挙区はすべてデニー氏が上位だった。

年代別の傾向は、10代から50代で古謝氏がリードし、60代から80代でデニー氏が依然として強い支持を示した。

投票率が上昇すれば古謝氏が優勢になる可能性が示され、投票率が低迷すればデニー氏の優勢が続く可能性が示された。

インターネット調査(琉球新報・JX通信社)では、投票先未定の有権者が全体の50%、投票意思が全体の70%であった。

選挙スケジュールと投票環境

告示日は2026年8月27日で、8名・6名候補が届け出た過去最多規模となった。

投開票日は2026年9月13日であり、期日前投票は18,572人(全有権者の1.58%)だった。

2026年9月1日の天気は曇りのち一時雨、最高31℃、最低27℃、降水確率20%と予報された。

第一声イベントは、古謝氏が2026年9月27日9時14分に那覇市県民広場前、デニー氏が同日10時48分に本部町備瀬で実施した。

SNS・デジタル活動

5月27日から29日にかけてのX(旧Twitter)フォロワー数は以下の通りである。

  • 5月27日 古謝 56,446人/デニー 116,616人
  • 5月28日 古謝 56,999人/デニー 116,642人
  • 5月29日 古謝 57,280人/デニー 116,624人

差は約59,300人で推移した。

#古謝げんたフォロー祭り が活発化した。

古謝陣営はLINE・SNSで若年層・女性層への情報発信を行い、支持拡大に寄与した。

事故と世論への影響

2024年3月の辺野古抗議船転覆事故で、2隻が転覆し女子高生1名と船長1名の計2名が死亡した。

事故後、西田喜久夫校長がデニー知事に「研修を継続したい」と要請した。

事故はデニー氏への批判を噴出させ、選挙情勢に影響を与えた。

修学旅行受入事業は事故関係団体が関与し、知事としての管理・監督責任が問われた。

百条委員会は「県ワシントン事務所」開設・運営問題で設置され、行政信頼性に影響した。

過去選挙実績と比較

2022年知事選では、デニー氏が339,767票(50.84%)を、佐喜眞氏が274,844票(41.13%)を、下地幹郎氏が53,677票(8.0%)を獲得した。

デニー氏と佐喜眞氏の差は64,923票で、那覇市では約24,800票差でリードした。

2025年参院選で保守系6党は合計373,429票を取得し、リベラル系4党を上回った。

2026年衆院選で自民党は221,783票(35.3%)を取得した。保守票逆転に必要とされる約32,500票は2022年規模前提で算出された。

政党勢力と比例票

  • 古謝氏は自民党・公明党・日本維新の会・国民民主党・参政党の5党から推薦。
  • デニー氏は立憲民主党・日本共産党・社会民主党の3党から支援。

2026年衆院選比例代表得票では、古謝側5党の合計はデニー側3党の合計の約3倍であった。

中道改革連合は知事選で自主投票を行い、デニー氏への足並みが揃わなかった。

公明党は古謝氏の支持を正式に決定した。