2026/09/02

プルデンシャル生命、30億円不正受領と販売自粛の実態


営業自粛の経緯

プルデンシャルは2023年2月上旬に新規契約販売活動を自粛し、同年8月24日に多摩支社の営業社員による不適切な金銭受領事案をホームページで公表した。

2024年2月9日から90日間の販売自粛を開始し、2024年11月5日まで延長した。

2026年2月9日からも同様に90日間の販売自粛を実施し、2026年11月上旬まで延長した。

多摩支社の不適切金銭受領事案

多摩支社所属の40代営業社員は、架空の高金利預金を虚偽説明し顧客から金銭を受領した。

同社員は2023年2月9日以降の販売自粛期間中も詐取を継続したと報じられている。

社内イントラネットでは2023年8月12日(報道により同日とも表記)に自殺し、死亡退職として発表された。

2026年8月24日に再度、同社員が架空高金利預金等で不適切金銭受領した疑いが公表された。死亡は2026年8月12日に確認された。

不正金銭受領の全体規模(プルデンシャル生命)

  • 不適切金銭受領は1991年から2022年にわたり確認された。
  • 2022年1月・2023年1月に約100人の社員・元社員が約500人の顧客から約31億円(30.8億円)を不適切に受領した。
  • 2023年7月時点で322人が補償対象となり、支払額は16億3千万円である。
  • 2024年にジブラルタ生命と合わせて新たに7億9千万円の被害が公表された。
  • 2026年1月の時点で、社員・元社員106人が498人の顧客から計30.8億円を受領した。
  • 内訳は以下の通り。
  • 41人が投資・儲け話で金銭を受領。
  • 91人が金銭貸借等で受領。
  • 69人が投資商品・事業者紹介で13.1億円を受領。
  • 補償・返金総額は22億円を超える。
  • 不正金銭受領に伴う補償費用として約47億円を特別損失として計上した。

ジブラルタ生命の不正事案

  • 元社員が福岡西支社在籍中(2017〜2023年頃)に顧客15人から約5,800万円を不正に受領した。
  • 金銭貸借等の不適切取扱いとして約3,100万円が確認された。
  • 2026年1月に約7億6千万円を特別損失として計上した。

補償・顧客対応

  • お客さま補償委員会は弁護士等で構成され、元営業社員に関する複数の相談を受け付けた。
  • 同委員会は元社員の担当顧客への連絡と情報提供を実施した。
  • プルデンシャル生命は2026年2月に約300件の補償相談を受領し、第三者委員会を設置して過去の不正事実と経営陣の関与を含む再調査を行った。
  • 補償対象行為は金銭貸借、投資勧誘・斡旋等であり、被害件数・金額は現在調査中である。

経営・組織の変化

  • 前社長の間原寛は2024年1月1日付で退任し、顧問等に関与しない旨で合意した。
  • 同氏は2026年2月1日付でも再び退任宣言を行った。
  • 2023年度決算では新規契約数が前年比23.8%減少した。
  • 基礎利益は12.6%減少し402億円、純利益は52%減少し282億円となった。
  • 2026年度決算でも新規契約数が減少し、約47億円の特別損失計上により純利益が大幅に減少した。

規制・監督の対応

  • 金融庁は2024年2月5日からプルデンシャル生命に対し立ち入り検査を調整中である。
  • 2026年2月3日と4月10日の会見で不適切金銭取り扱いが確認され、行政処分の可能性が示唆された。
  • 生命保険協会の会長(高田幸徳)は「信頼を損なう」旨の声明を出し、顧客への注意喚起を検討中である。

市場への影響

  • 投資商品に関する事実確認の申し出は、2023年度で約700件、2026年4月時点でも同数が寄せられた。
  • ジブラルタ生命との合算により新たに7億9千万円の補償対象が認定され、合計補償額が増大した。

事件の続報(2026年8月時点)

2026年7月8日時点で、101人・6.2億円が補償対象と判断されたことが発表された。