東京ディズニーシーの隠れた設定!背景設定を知れば遊びの楽しみが何倍にも深まる
東京ディズニーシーの楽しさは、人気アトラクションやグルメ、キャラクターとのふれあいだけではない。園内に隠されたバックグラウンドストーリーを知ることで、普段の体験が深まり、訪れるたびに新しい発見ができる。今回は、東京ディズニーシーに隠された特に面白い設定を紹介する。これらの設定を知っていれば、次回の訪問時には普段はあまり意識しない装飾や建物の裏側にある物語を理解でき、これまでとは違う視点でパークを楽しめるようになる。
ミステリアスアイランドの秘密
東京ディズニーシーの中央にそびえるプロメテウス火山のふもとに広がるミステリアスアイランドは、どのような場所なのだろうか。実はこのエリアは、ネモ船長が秘密基地として開発した土地という設定になっている。ネモ船長は潜水艦「S.S.ノーチラス号」でこの島に到達し、ミステリアスアイランドで働くキャスト全員がネモ船長が連れてきた船員という立場だ。来園したゲストは、ネモ船長に招待された客人としてパークを楽しむことになる。 ミステリアスアイランドで働くキャストは「船員」と呼ばれ、特にネモ船長の船員であることから「ネモクルー」とも呼ばれている。特定のポーズを取ると、ミステリアスアイランドの船員たちが同じポーズで応答してくれる。このポーズは左手を右胸に当て、肘を張って腕で「N」の字を作るように取る。正面から 보면「N」の形に見える。「N」はネモ船長の名前のイニシャルを表している。このポーズはラテン語で「動く」を意味する「モビリス(Mobilis!)」という合言葉と共に交わされることが多い。キャストが「モビリス!」と声をかけると、ゲストは「モビリ!」と返答するのがお互いの合図だ。このポーズと合言葉は、ネモ船長の信条「Mobilis in Mobili(動くものの中の動くもの)」を象徴しており、ネモ船長の冒険精神そのものを体現している。 ミステリアスアイランドの各所には、この「N」をモチーフにした装飾が隠されている。ミステリアスアイランドの至る所に設置されている丸みを帯びたベンチにも意味が込められている。これらは「係船柱(ボラード)」と呼ばれ、船を岸に固定するための設備を模したもので、カルデラ湖に停泊する船を波の衝撃から守る役割があるという設定だ。係船柱の根元にはロープが擦れた跡が細かく再現されているので、ベンチに座る際に足元を少し確認すると新たな発見がある。 さらに、プロメテウス火山に突き刺さるように設置されている重機も見逃せない。これは「岩盤掘削機」と呼ばれる岩石を掘削するための設備で、ネモ船長が秘密基地を建設する際に使用したという設定になっている。プロメテウス火山の入り口にある電動ドリルで掘られたような跡は、ネモ船長が基地建設時にこれらの設備を使って掘った名残だ。その後その掘削跡を利用して、アトラクション『センター・オブ・ジ・アース』の入り口が作られた。こののように、ミステリアスアイランドの装飾の一つ一つには、ネモ船長の秘密基地という設定に基づいた設計の意図が込められている。 実はネモ船長は「S.E.A.(探検家・冒険家学会)」のメンバーとしても活動しており、ミステリアスアイランドの秘密基地もS.E.A.の支援を受けて建設されたという設定になっている。こうした設定を知っていれば、ミステリアスアイランドを訪れた際に、ベンチや火山の重機の一つ一つに込められた物語を感じながら、ネモ船長の秘密基地という世界観に浸りながら巡ることができる。
探検家・冒険家学会「S.E.A.」の世界
S.E.A.は「Society of Explorers and Adventurers」の略称で、日本語では「探検家・冒険家学会」と呼ばれている。1538年8月12日に東京ディズニーシーの「フォートレス・エクスプロレーション」施設内に設立されたこの組織は、現在もS.E.A.の本部として機能している。1538年は大航海時代のまっただなかで、世界中で未知の海域や大陸への探検が盛んに行われていた時代だ。S.E.A.はそうした探検家たちの活動を支援し、得られた知見を共有するための組織として設立された。以来450年以上にわたり探検家たちの活動を支援し続けてきた歴史ある組織であり、設立は16世紀であっても現代に至るまで脈々と受け継がれている。 S.E.A.には、歴史的な功績を残した探検家たちを名誉会員として追贈する制度がある。会員の構成は多岐にわたり、大きく分けて以下の3種類に分類される。 - 探検家・冒険家:未知の領域の調査や新たな発見を担う - 技術者:探検に必要な装備や船の開発を行う - アーティスト:探検の成果を記録したり、表現したりする役割を担う さらに会員には、架空のキャラクターだけでなく後世になって功績が認められ名誉会員に追贈されたマルコ・ポーロやレオナルド・ダ・ヴィンチといった実在の歴史人物も名を連ねている。マルコ・ポーロやレオナルド・ダ・ヴィンチはいずれも1538年よりも前に没した歴史的人物で、後世になって功績が認められて名誉会員に追贈されたものだ。そのため、フォートレス・エクスプロレーション内の「探検家大ホール」に展示されている肖像画には、創始メンバーと名誉会員の両方が含まれている。マゼランやコロンブスの名前も確認できる。 S.E.A.の設定は東京ディズニーシーの各施設にも組み込まれている。例えばアトラクション『タワー・オブ・テラー』の舞台設定は、地中海港にある「ホテル・ハイタワー」となっている。このホテルを所有していたハリソン・ハイタワー三世もS.E.A.の会員であり、彼の探検で得られた成果がホテル内に展示されているという設定だ。彼は「S.E.A.の技術者」に分類される人物で、探検に必要な装備や技術の開発に貢献した。しかし、彼は強引な収集活動で他のメンバーから白眼視されていたという「影」の部分もある。 また、メディテレーニアンハーバーにあるアトラクション『ソアリン:ファンタスティック・フライト』の舞台である「ファンタスティック・フライト・博物館」には、探検家・冒険家学会の初の女性会員である研究者カメリア・ファルコの研究成果が展示されている。彼女は「S.E.A.の探検家・冒険家」として未知の領域の調査や新たな発見に貢献し、49歳でS.E.A.の会員となり、50歳で第二代の管理者に就任した。 ちなみに、フォートレス・エクスプロレーション自体は大航海時代の要塞をモデルにして建設された。その後S.E.A.に譲渡され、現在は探検家たちの活動拠点として一般のゲストにも公開されている。ゲストはここで学会の一員になった気分を味わいながら、大航海時代の歴史と冒険精神に触れることができる。S.E.A.の設定を知っていれば、フォートレス・エクスプロレーションやタワー・オブ・テラーを訪れた際に、建物や展示の裏側にある探検家たちの歴史と冒険精神を想像し、パークの世界観に深く浸りながら散策できる。 東京ディズニーシーには今回紹介したもの以外にも、各エリアに無数のバックグラウンドストーリーが隠されている。アトラクションの舞台設定や建物の装飾、キャストの衣装やセリフなど、知れば知るほどパークでの体験が豊かになっていく。次回の訪問時には、ぜひ普段は見逃しがちな細部にも注目して、自分だけの「隠し設定」を見つけてみてほしい。